アトピー性皮膚炎・食物アレルギーについて
アトピー性皮膚炎は、皮膚の乾燥とバリア機能異常があり、そこに種々の病因が複合的に関わって発症する疾患です。近年、このバリア機能の研究が目覚ましく進んでいます。
成育医療研究センターの研究で、生下時よりきちんと全身に保湿を続けたお子さんは、乾燥時だけ保湿したお子さんに比べ、8か月後、アトピー性皮膚炎の発生が30%も少ないことがわかりました。つまり、湿疹が出来たから保湿をするのではなく、湿疹を起こさないために保湿をするということが大切であると考えられます。
さらに、乳児期のアトピー性皮膚炎は、食物アレルギーなどアレルギー疾患の発症誘因となる可能性も示唆されています。
皮膚とアレルギーは、密接な関りがあり、数年前に「茶のしずく石鹸」を使用した方の中に、蕁麻疹や強いアレルギーが起こったことは記憶に新しいところです。
これは、石鹸の中に含まれていた、小麦の成分が、毎日皮膚につくことによってアレルギーを起こし(経皮感作) 、小麦を食べて、ショックなどの反応が出てしまったというものです。
このように、皮膚から物質が体内に入り、アレルギーを起こすことがあるのであれば(アレルギーのすべての原因ではありません)、そこに湿疹などあれば、バリアが不完全ですから、より物質が透過しやすくなり、経皮感作によるアレルギーを起こしやすくなると考えられます。
乳幼児の皮膚、特に顔の皮膚は非常に薄く、また食物が付着する機会も多いので、バリアを守るために丁寧に保湿をし、湿疹を作らない、できてしまったものは早く治すということが、とても重要です。
私たち皮膚科医は、是非そのお手伝いをしたいと考えています。
水野皮フ科 院長 水野 久美子
1972年 | 東邦大学医学部卒 |
同大学研修医 | |
1973年 | 同大学皮膚科学教室 入局 |
1982年 | 東京都職員共済組合 青山病院 |
1987年 | 同病院 皮膚科医長 |
1990年 | 水野皮フ科開設 |
日本皮膚科学会認定専門医
医院名 | 水野皮フ科 |
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院 長 | 水野 久美子 |
住 所 | 〒154-0004 東京都世田谷区太子堂5丁目6-18 |
診療科目 | 皮膚科 |
電話番号 | 03-5486-3751 |
健康保険証・医療証、現在使用中のお薬(皮膚科以外も含め)、今まで使用していたお薬の分かる物(お薬手帳など)をご持参ください。
未成年の方は、原則保護者の方と一緒に受診してください。
女性のお顔を拝見する場合は、化粧を落としていただきます(洗顔料はご用意しています)。
ご協力をお願いします。